アメリカが国境炭素税を導入する時

私は、バイデン政権下のアメリカでは必ず国境炭素税を導入すると見ています。

国境炭素税は、EUが提唱し始めたものですが、これをバイデンは導入するでしょう。

国内の炭素税であれば、国民の反対に遭いますが、国境炭素税は関税ですから、アメリカ国民の反対は起こらないでしょう。

バイデンにとっては、環境問題の解決に近づけますし、関税も入ってきますし、アメリカ国内の企業の競争力が強くなりますので、いいことだらけです。

トランプのように、関税は大統領権限で決められるはずですから、実行は簡単です。

 

もし、バイデンが国境炭素税を導入したら、どうなるでしょう。

そのとき、世界の産業は激変します。

日本の企業も直撃を受けます。

炭素排出削減に本気でない国や企業は高い関税をかけられてしまいます。

そうなると導入を機に、一気に世界が脱炭素に雪崩をうって押し流されていきます。

たぶん、来年にはそういう事態になると見ています。

ですから、私は、脱炭素テーマの一括買いを推し進めているのです。

 

EUが提唱した国境炭素税につき、記事を下に載せます。

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温暖化対策で国境炭素税という大胆な方針を示したフォンデアライエン欧州委員会委員長(Bloomberg

 2019年12月に欧州委員会委員長に就任したフォンデアライエン氏は、炭素(温室効果ガス)排出に関する国境調整措置を政策手段として公式文書に明記した。EU(欧州連合)の輸入品に対して関税として炭素税を課そうという考え方である。この国境炭素税が今、論争を呼んでいる。

(出所)有村俊英・蓮田守弘・川瀬剛志『地球温暖化対策と国際貿易:排出量取引と国境調整措置をめぐる経済学・法学的分析』(2012)
(出所)有村俊英・蓮田守弘・川瀬剛志『地球温暖化対策と国際貿易:排出量取引と国境調整措置をめぐる経済学・法学的分析』(2012)

 国境炭素税に期待される効果はどのようなものだろうか。

 第一に、排出規制に熱心でない国の温暖化対策を促進することが期待される。第二に、EUでの生産やそれに伴う温室効果ガスの排出が海外に移転(炭素リーケージ)しないようにすることが期待される。第三に、排出規制の進んでいない国で製造される製品に対して炭素税を課し、製品価格を上昇させることにより、EUの鉄鋼などエネルギー集約産業の競争力を守れるとされている。

 この国境炭素税は、突然出てきた考え方ではない。先進国に温室効果ガスの排出削減を義務付けた京都議定書から米ブッシュ政権が離脱した時に、米国に温暖化対策を促す政策手段として、欧州で議論が始まった。

 その後、米国でも、気候変動に取り組み始めたオバマ政権下で、メキシコなどの新興国に対する国境炭素税の議論が行われた。また、米議会では09年、クリーンエネルギーの促進や温室効果ガスの削減などを盛り込んだ「ワックスマン・マーキー法案」が下院で承認された。全米レベルの排出量取引制度が導入される一歩手前までいったのである。排出量取引とは、各企業・国などが温室効果ガスを排出することのできる量を排出枠という形で定め、排出枠を超えて排出した企業などが、排出枠より実際の排出量が少ないところから排出枠を買うことを可能にし、それによって削減したとみなす制度だ。

 EUではこれまでも、国境炭素税の提案は数回なされてきた。しかし、今回は本気度が違うようであり、20年中に制度設計を行うため専門家が集められているようだ。背景には、EUが30年に温室効果ガス排出量を40%削減(1990年比)という高い目標を掲げていることにある。それを達成するには、エネルギー集約的な産業の負担が大きくなり、国際競争で不利になる可能性がある。海外との競争条件を均等にするために、輸入品に対して国境炭素税を課す必要が出てきている。

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