ペロブスカイト太陽電池

 調査会社の富士経済は2020年3月、ペロブスカイト(PSC)、色素増感(DSC)、有機薄膜(OPV)、ヒ化ガリウム(GsAs)といった新型・次世代太陽電池の世界市場に関する調査結果を発表した。2019年の新型・次世代太陽電池の世界市場規模は6億円だが、2030年には4563億円にまで拡大すると予測している。

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上の記事にありますように、次世代太陽電池はこれから大きく伸びます。

日本政府のエネルギー・環境イノベーション戦略にも、ペロブスカイト太陽電池の開発が入っています。

ペロブスカイト太陽電池は、インク状にした原料溶液を基板に塗るだけで、低コストで高性能な太陽電池が作製できるため、次世代太陽電池の最有力候補とされています。

しかし、ペロブスカイト太陽電池は鉛という有害物質を使うため、どうしても実用化のネックになっていました。

これも、技術革新によって有害物質を使わないことができるようです。より実用化に前進していると考えます。

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高純度スズ系ペロブスカイト半導体膜の作製法を確立
―4価のスズ不純物を取り除くスカベンジャー法の開発―

本研究成果は、2020年6月16日に国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載されました。 

 京都大学化学研究所の若宮淳志 教授、中村智也 同助教、ミンアン・チョン 同助教、シュアイフェン・フ 同博士課程学生、大塚健斗 同修士課程学生、半田岳人 同特定助教、金光義彦 同教授、リチャード・マーディ 同講師、名古屋市立大学大学院の笹森貴裕 教授、および京都大学大学院工学研究科の大北英生 教授らの研究グループは、スズ系ペロブスカイト前駆体溶液中の4価のスズ不純物を系中で取り除く手法を開発しました。これにより、優れた半導体特性を示す、高純度スズ系ペロブスカイト半導体膜の作製法を確立することができました。

 
 
1. 背景
 近年、有機無機ハイブリッドペロブスカイト半導体材料が注目を集めています。本材料は溶液の塗布により作製できるという特徴をもち、太陽電池発光ダイオード、光デバイスなど様々な応用が期待されています。これまでは、鉛を原料に含む鉛系ペロブスカイト半導体材料が主に研究されてきましたが、鉛が及ぼす環境や人体への影響が危惧されています。そのため、実用化の観点から、鉛を用いない新たなペロブスカイト材料の開発が強く求められています。特に、鉛の代わりにスズを原料に用いたスズ系ペロブスカイト材料は、鉛に匹敵する優れた半導体特性をもつことから、非鉛系ペロブスカイト材料の有力候補として期待を集めています。しかし、材料中の2価のスズイオン(Sn2+)が非常に酸化されやすく、半導体特性を低下させる4価のスズイオン(Sn4+)を生じることが問題となっています。実際、スズ系ペロブスカイト材料を光吸収層に用いた太陽電池光電変換効率は、鉛を用いたものよりも低く、最大でも10%程度にとどまっていました。これらのペロブスカイト薄膜中にはSn4+が不純物として含まれていることが明らかになっており、4価のスズイオンを完全に含まない、「Sn4+フリー」のスズ系ペロブスカイト薄膜を作製する手法の開発が求められていました。
 
2. 研究手法・成果
 この課題に対し、当研究グループでは、科学技術振興機構JST)ALCAなどのプロジェクトの支援を受け、材料化学の視点から、用いる材料を徹底的に高純度化するというアプローチで取り組んできました。我々はこれまでに、材料として用いる市販のヨウ化スズ(SnI2)中に4価のスズイオン(Sn4+)が不純物として含まれていることを明らかにし、Sn4+種を完全に取り除いた高純度化前駆体材料を開発しました1)。材料の高純度化と、高品質の半導体膜を作製する独自の成膜手法の開発2)により、スズ系ペロブスカイト太陽電池の変換効率は向上してきました。しかし、このようにして作製したペロブスカイト薄膜中においても、依然Sn4+種が含まれていることがわかりました。

 この原因について、グローブボックス中で材料を保管している間にも、極微量に存在する酸素と反応することによってSn4+種が生じてしまうのではないかと考えました。そこで本研究では、ペロブスカイト膜を作製する「直前に」、高い反応性をもつ0価のスズナノ粒子を系中で発生させて作用させることで、Sn4+種をSn2+に還元することができるものと考えました。
 ペロブスカイト前駆体溶液には、ペロブスカイトを形成する原料であるSnI2の他に、膜の品質を向上させる添加剤として10%のフッ化スズ(SnF2)を加えています。この溶液に対して、高い反応性をもつテトラメチルジヒドロピラジンTM-DHP)を加えることで、SnF2を選択的に還元し、0価のスズナノ粒子を発生できることがわかりました(図 1)。生じたSn0ナノ粒子がSn4+種を捕捉する「スカベンジャー」としてはたらき、Sn4+不純物を完全に含まない前駆体溶液が得られることがわかりました。
 この前駆体溶液を使ってペロブスカイト膜を作製することによって、膜表面のSn4+種の割合を15.5%から5.3%に大幅に減少させることができました(図 2)。さらに、膜内部ではSn4+種をほとんど含まない(<0.1%)、「Sn4+フリー」のペロブスカイト膜が得られることがわかりました。
 Sn4+フリーのペロブスカイト膜を用いて太陽電池を作製することで、最大で開放電圧が0.76 V、光電変換効率11.5%と高い性能を示す素子を実現することができました(図 3)。封止した太陽電池を用いて、第三者機関での測定にて光電変換効率が11.2%の認証データを得ることにも成功し、高い安定性と信頼性を確認することができました。
 
図1. Sn4+不純物を取り除くスカベンジャー法
 
 
図2. ペロブスカイト膜中に含まれるSn4+種の割合
 
図3. スズ系ペロブスカイト太陽電池の特性
 
3. 波及効果・今後の展望
 2価のスズイオンが容易に酸化され4価のスズイオン種を生じてしまうことは、スズ系ペロブスカイト材料を用いたエレクトロニクスデバイスの性能向上のボトルネックとなっていました。今回開発した「スカベンジャー法」はスズ系ペロブスカイト材料に一般的に用いることができ、太陽電池のみならず、発光ダイオードや光デバイスなど、様々なデバイスの高性能化につながるものと期待できます。今後、本研究成果は、京大発ベンチャー(株)エネコートテクノロジーズ」にも技術移転し、高性能の鉛フリーペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた開発研究を展開していく予定です。
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そして、フジプレアムは、京都大学ペロブスカイト太陽電池開発プログラムで電池材料を固定・封止する技術を提供しています。
ですから、ペロブスカイト太陽電池のニュースが出ると、真っ先に買われるのがフジプレアムです。
 
今後、政府の後押しもあり、次世代太陽電池の最有力であるペロブスカイト太陽電池の開発ニュースは来年にかけて出てくるものと思い、今日フジプレアムを買いました。
                  (2020年12月14日午前11時)