陰圧デバイスの興研

マイクロ飛沫の拡散を防止し、
医療従事者と患者双方に安心・安全な陰圧デバイスを共同開発

 

 東邦大学医学部微生物・感染症学講座、同麻酔科学講座及び東邦大学医療センター大森病院感染管理部、同先端健康解析センターは、産業用防じん・防毒マスク、医療用N95マスク、環境改善機器メーカーである興研株式会社(東京都千代田区)と共同で、同社の有する超高性能フィルタ及び気流制御技術を使った医療用の陰圧デバイス3種を開発しました。

 3種の製品はいずれも新型コロナウイルスやインフルエンザの感染が疑われる患者や検体から発生するマイクロ飛沫の拡散を防止し、医療従事者及び患者の双方に安心で安全な環境を提供することに役立ちます。
詳細は下記の通りです。

気管挿管・抜管用陰圧フード「DANTECT for Ti(Tracheal intubation)」

手術時の気管挿管・抜管は、マイクロ飛沫が大量に拡散するリスクがあります。そのため、現場ではアクリルボックスなどで患者の呼吸域を囲う対策が取られていますが、米国FDAから「陰圧化されていないボックスはかえって感染リスクを高める可能性がある」との発表もあり有効性が見直されています。そこで、陰圧化と小型超高性能フィルタによって高い安全性を持ち、作業性にも優れた、使い捨てできる気管挿管・抜管用フードを開発しました。 段ボール・透明フィルムで構築されるフードと、小型超高性能フィルタ・ブロアにて構成されており、ブロアによりフード内部が陰圧化される(気流が内側に向かって流れる)ことで外部へのマイクロ飛沫の拡散を防止します。 このフィルタは、一般的なHEPAフィルタ(注1)が0.3㎛の粉じんに対して99.97%以上の捕集性能を有しているのに対し、0.15㎛~0.25㎛の粉じんに対して99.97%以上の捕集性能を有しています。

病原体検査用陰圧BOX「DANTECT for Pt(Pathogen testing)」

新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が懸念され、クリニック等での病原体検査が不可欠と言われていますが、検体を扱う際に感染対策を講じなければ、かえって感染を広げてしまう結果にもなりかねません。そこで、どこでも導入しやすい安全・省スペース・低価格で、使い捨てできる病原体検査用陰圧BOXを開発しました。なお、本製品は東邦大学興研が共同で特許・意匠出願中です。
内側に撥水処理を施した段ボールと透明フィルムで構築されるBOX本体と小型超高性能フィルタ、ブロア、交換可能トレーで構成されています。フィルタと内部の陰圧化手法は気管挿管用フードと同様です。本製品はバイオハザード対策用クラス1キャビネット※と同等の構造・性能を有すると考えております。
一般的な対策機器の導入費用が数十~数百万円であるのに対し、本製品は一式で28,700円と低価格です(価格詳細は、「販売について」をご参照ください)。

バイオハザード対策用クラスⅠキャビネットは、作業者の曝露防止を目的とするもので、前面開口部と排気口を有し、流入気流が汚染エアロゾルの流出を防ぎます。排気はHEPAフィルタで処理します。「DANTECT for Pt」はHEPAフィルタ以上の性能(0.15~0.25㎛を99.97%以上捕集)を持つ超高性能フィルタで排気を処理します。

検体採取用陰圧ブース「LAMIKOACH Np (Negative pressure)」

新型コロナウイルス、インフルエンザの同時流行に伴う検査数の急増に対応するため、安全かつ最小限の人数で効率的に検体採取が行える陰圧ブースを開発しました。
プルフード本体と患者用ブースで構成されており、0.15㎛以上の粉じんに対して99.999998%の捕集性能を有する超高性能フィルタを搭載しています。一般的なHEPAフィルタを搭載した機器と比べ1万倍以上きれいな空気を排気します。また、装置本体は患者用ブースの内圧を監視し、-2.5Pa(CDCで陰圧室に推奨される差圧)を満たすように本体自ら風量を調整します。
検体採取時に患者がくしゃみ等をしてマイクロ飛沫が発生しても、速やかに気流で飛沫をプルフードへ搬出します。

販売について

■ 気管挿管・抜管用陰圧フード「DANTECT for Ti (Tracheal intubation)」
1.発売開始  12月上旬
2.価格(税別)  本体:2,100円/個※1、フィルタ:1,700円/個※2、ブロア(電池仕様):26,000円/個

※1 ※2:本体及びフィルタは5個/セットでの販売となります。

■ 病原体検査用陰圧BOX「DANTECT for Pt (Pathogen testing)」
1.発売開始  12月上旬
2.価格(税別) 本体:840円/個※3、フィルタ:1,700円/個※4、ブロア(AC電源仕様):16,000円/個

※3 ※4:本体及びフィルタは5個/セットでの販売となります。

■ 検体採取用陰圧ブース「LAMIKOACH Np (Negative pressure)」
1.発売開始  12月下旬
2.価格    未定

上記製品は全て代理店を通して販売いたします。

用語解説

(注1)HEPAフィルタ
JIS Z8122:2000「コンタミネーションコントロール用語」で「定格流量で粒径が0.3㎛の粒子に対して99.97%以上の粒子捕集効率を持ち、かつ、初期圧力損失が245Pa(25mmH2O)以下の性能を持つエアフィルタ」と規定されているものです。
 
                   (東邦大学のホームページより)
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このプレスリリースは11月に出たものですが、この3種の陰圧デバイスの発売時期は12月です。
医師や看護師の感染を防ぐのは最重要課題ですから、この陰圧デバイスは大きな需要があるように思えます。
                (2020年12月24日午前11時)