レアメタル争奪戦に

レアメタル争奪戦に

リチウムイオン電池材料

自動車各社が電気自動車(EV)に力を入れる中、供給網の中で重要性が高まるのが基幹部品となるリチウムイオン電池だ。

中国の車載電池の最大手、寧徳時代新能源科技(CATL)は2020年12月に最大390億元(約6200億円)を投じ、中国内の3カ所で生産拠点を新設または増設する計画を発表。21年内には同社として初の海外工場をドイツで稼働し、欧州自動車メーカーへ電池を供給する予定だ。

韓国LG化学も米国でゼネラル・モーターズGM)との合弁工場の建設を進めるほか、既存のポーランドの工場でも22年までに生産能力を拡大する。

調査会社テクノ・システム・リサーチによると20年の車載向け電池出荷量のシェアは7割以上を中韓勢が占める。ホンダが20年にCATLに約1%を出資し資本提携するなど、安定調達に向けた関係強化を模索する自動車メーカーは少なくない。

電池の生産増に伴い、電極部品として不可欠なレアメタルの争奪戦も激しくなる。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は20年9月の投資家向け説明会で、リチウムを含む粘土鉱床約40平方キロメートル分の権益を米ネバダ州で確保したと明らかにした。リチウムの採掘から抽出、輸送までテスラが一貫して関与することで資源の安定確保につなげる。トヨタ自動車グループでも豊田通商がオーストラリアのリチウム資源開発会社と組み、アルゼンチンでリチウムを生産している。

電池素材のうち、生産地がアフリカのコンゴ民主共和国に偏り価格が高騰しているコバルトなどは使用量を減らす動きも広がっている。技術革新と併せていかに安定したサプライチェーンを構築していくかが課題となる。

                                                                日本経済新聞1月29日朝刊)