決算発表に警戒感

【NQNニューヨーク=張間正義】12日の米株式市場は売り買いが交錯し、不安定な値動きだった。13日の大手銀行を皮切りに発表が本格化する主に2021年7~9月期の四半期決算ではコスト高による「ネガティブショック」を警戒する声がいつにも増して多い。

12日の米ダウ工業株30種平均は前日比117ドル(0.3%)安の3万4378ドルと3日続落した。原油相場の上昇一服や長期金利の低下(債券価格の上昇)で、朝方は買いが先行した。ただ、買い一巡後は下落に転じるという9月中旬からの相場調整でよくみられる展開だった。

今週、ダウ平均の構成銘柄では13日にJPモルガン・チェース、14日にユナイテッドヘルス・グループ、15日にゴールドマン・サックスが四半期決算を発表する。QUICK・ファクトセットによると、米主要500社の7~9月期の純利益は前年同期比28%増になる見通しだ。新型コロナウイルスの拡大で前年に落ち込んだ反動という「ベース効果」が顕在化した1~3月期(52%増)、4~6月期(91%増)からは減速する。国際商品相場の上昇やサプライチェーン(供給網)の混乱によるコスト増で売上高純利益率は過去最高だった7~9月期(13.1%)から12.1%に低下する見通しだ。

大手金融機関は、企業決算の市場予想にはサプライチェーン混乱の影響が十分に織り込まれていないとみる。バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)のサビタ・サブラマニアン氏は、ブルームバーグ通信が集計している企業が業績の下振れを事前に発表する「プロフィット・ウォーニング」の大幅な増加に着目している。15年10~12月期や19年1~3月期並みの高水準で、当時は次の四半期に業績の大幅な減速が目立った。今回の四半期決算でも人件費増、中国の景気減速、国際商品相場の上昇によるコスト高を理由に、22年通期の業績予想の下方修正が相次ぐと予想する。

マクロ経済の鈍化も逆風だ。国際通貨基金IMF)は12日、米国の21年の実質経済成長率の見通しを6.0%と前回7月の予測から1.0ポイント引き下げた。ゴールドマン・サックスのヤン・ハチウス氏は12日、「ボトルネックから従来型の景気減速へ」と題したリポートを公表した。9月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を下回り、欧州と中国の景気減速も重なり、物価高による世界的な景気減速がすでに始まっているとみる。22年の米実質成長率の見通しは4.0%とIMFの予測(5.2%)よりかなりの低成長を見込んでいる。

焦点は経済に先行する株式相場がどの程度、こうした動きを織り込んでいるかだ。S&P500種株価指数は9月2日に過去最高値を付けた時点では年初来で21%上昇していたが、今月12日時点では昨年末比の上昇率が16%まで縮小した。今後1年間の利益予想に基づくPER(株価収益率)は20.4倍と新型コロナ以降では最低水準まで低下しており、20年9月の24倍台からそれなりにバリュエーション(投資尺度)調整は進んでいる。

ファクトセットのジョン・バッターズ氏の集計では、米主要企業の決算では20年4~6月期以降、5四半期連続で事前の市場予想を上回る結果となっている。「平均で19ポイントの上振れ」で、今回も同様の展開となれば最終的な着地点は4割台後半まで伸びる可能性も残る。

業績へのネガティブショックへの懸念が高まる一方、競争力の高い企業中心に底力を発揮すれば、一転してポジティブなショックになる可能性もある。12日の米株式市場では9月の中国での出荷台数が過去最高と伝わった電気自動車のテスラ株が続伸し、7カ月ぶりの高値を付けた。9月半ば以降、相場全体が軟調になるなか、同社株はじり高が続いている。ポジティブショックを見込む投資家も少なからずいるようだ。

                 日本経済新聞

 

 

いよいよ、今日(10月13日)からアメリカの企業の四半期決算の発表が相次ぎます。

世界的なサプライズチェーンの混乱の影響がどこまであるのか、固唾を飲んで見守っているという状況です。

昨夜のダウは高くなった時もありましたが、結局117ドル安で引けました。

米国債10年利回りは1.572%とかなり下げました。

これほど下げたのであれば、ダウは暴騰していいのですが、警戒感がかなりあるようです。

                 (10月13日午前7時57分)